白内障

白内障の正確な要因は究明されてはいませんが、水晶体の細胞間の結合力が
弱まることが原因と思われています。犬は遺伝的に白内障になりやすいと言われていますが、加齢から水晶体に関連する機能が低下することで白濁が進行すると見られています。
多くの聞き込み調査から食餌の内容により発症時期と進行に違いがあることがわかってきました。肉食を中心とした食餌とドライドッグフードを中心とした食餌では、白内障の発症時期に変化が見られました。肉食でも骨や内臓を良く与えていた犬は白内障を発症している例が明らかに少なく、特に動物系より魚系を多く与えていた例のほうが少ないという結果がでました。したがって、2.の食餌を採っていれば白内障を予防できると考えられるのです。



健康な水晶体は透明に澄んでいて虹彩もはっきり見えます。

 

目の水晶体の組成はコラーゲンが主体で水溶性の蛋白質などで構成されています。年令と供に合成できなくなるコラーゲンが加齢と供に不足してきます。コラーゲンを多く含む食餌を採っていなければ、水晶体にも悪影響を与える
ものと思われるのです。
白内障を発症してしまった場合の対処法として、二つの選択肢があります。1つは外科的対処法で、もう1つが食餌による改善です。ドライドッグフードを中心とした食餌を長年採っていた犬は、消化器系の機能が低下している場合がほとんどですから、肉食には少量ずつ変える必要があります(2.食餌を参照)。肉食の内、コラーゲンを多く含むのは皮や内臓、軟骨などです。レバーは代謝を促進させるビタミンB-6を含んでいます。また、酸化還元物質であるビタミンB2やEを多く含むのがいわしなどの魚で、活性酸素の増加を抑制しますから白内障の進行を抑えてくれます。
白内障の進行が進んでいる場合は、コラーゲンとビタミンB-2、B-6、Eをサプリメントとして与えてください。特に、消化器系の弱い犬には、吸収性の良い高機能コラーゲンをお勧めします。
完治まで行かなくても改善させる効果は当方の実験でも明らかにななっています。改善できれば、生活上あまり支障にはなりませんから、まず、食の改善から始めるのが良いのではないでしょうか。
栄養以外の原因で発症する例として、外傷性、糖尿病の合併症、アトピー性皮膚炎の合併症で発症(治療に使うステロイドによる影響と思われています)する場合があります。外傷性以外は、2.の食餌と1.の運動で予防ができますから、5歳を超えたら愛犬の生活改善をお勧めします。